高騰する人民元

 

2020年 5月末の対ドルレートは、1ドル=7.1316元であったものが、この9月2日には、1ドル=6.8376へと高騰した。

100元は、中国の最高額紙幣。これをドルに換えると、5月は約14ドルであったものが、9月には約14.6ドルになった。
つまり、ドルの価値が減ったことになる。

この一年を通算すると、元の価値は上昇している。
日本人が、元で持つかドルで持つかを考えると、元にしておいた方がトクだ。

中国人民銀行(中央銀行)が権限を授与した中国外貨取引センターの発表によると、2020年9月2日の銀行間外国為替市場の人民元対ドルレート基準値は1ドル6.8376元で、前取引日より122ベーシスポイント(bp)上昇した。基準値はすでに7日連続で上昇しており、19年5月14日の1ドル6.8365元以来の最高を更新した。

この元高騰の理由は、3つあるとされる。

【1】米ドル指数の低下。
一般的に、ドル指数の強弱は人民元をはじめとする非米ドル通貨と逆の関係にある。
ドルが強ければ他が弱くなり、ドルが弱ければ他が強くなる。
データをみると、今年5月下旬以降、ドル指数は低下傾向が始まり、最近はさらに低下して92を割り込み、18年5月初旬以降の最低を更新した。
これは、米連邦準備制度理事会(FRB)が、かつてない大規模な金融緩和政策を打ち出し極めて大量の資金を注入したため、市場に米ドル下落の予想が広がる中、米ドル指数が低下を続け、人民元を含む非米ドル通貨が値上がりする流れになった。

【2】中国経済の回復。
中国は感染症の抑制で目に見える成果を上げ、中国経済も持続的に回復・改善し、主要経済指標は徐々に好転し、第2四半期(4-6月)の中国はプラス成長を実現したことが、人民元の評価を高めた。
中国国家統計局のデータでは、7月の中国経済は引き続き回復を続け、中でも商品小売売上高増加率は今年初めてマイナスからプラスに転じ、輸出増加率は2けたに達した。
2020年8月の製造業購買担当者景気指数(PMI)、非製造業ビジネス活動指数、製造業と非製造業を合わせた総合PMIの「3大指標」をみると、いずれも景気・不景気のボーダーラインとなる50%を6ヶ月連続で上回った。
世界銀行と国際通貨基金(IMF)も、中国は今年経済のプラス成長を達成できる数少ない国の1つになるとの予測を示した。

【3】人民元建て資産の人気。
中国は今、金融市場の開放を持続的に推し進めているところで、世界の投資家は中国経済の見通しと人民元建て資産を高く評価しており、海外の資本は中国資本市場に流入し続け、こうしたことが人民元の値上がりにプラスに働いているとされる。
海外の資本が、「中国株の爆買いに走っている」のだ。
国家外貨管理局がこのほど発表したデータでは、今年7月には、外資による中国国内の上場株と債権の買い増しの規模は前年同期の2.4倍になり、外貨準備高は4ヶ月連続で増加を続けている。

世界の中央銀行が緩和政策を維持する中で、中国の中央銀行は感染症の流行中に金融政策の慎重さを保ち、中米の金利差が大きい状態が続き、人民元建て資産の魅力が目に見えて高まった。こうしたことも人民元レートの上昇を後押ししたとされる。

8月28日時点で、中米の代表的な10年物国債の利回りの差は230bpを超えており、金利差が拡大した。人民元建て資産の収益率が高いことから外資が絶えず中国に流入し、人民元レートの上昇を促進する役割を果たした。

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