2020明暗を分けたトヨタvsマツダ

 
【FAWトヨタ】

2020年多くの自動車メーカーの年間の評価予測は「マイナス成長」回答であったものの、FAWトヨタ(=「一汽トヨタ(長春)エンジン有限会社」)は「年間販売台数は80万台で、前年同期比9%増、市場シェアは4.3%で、目標の105%を達成した」と市場予測を逆転させた。
『トヨタ ニュー グローバル アーキテクチャー(Toyota New Global Architecture)』と『HEV駆動制御による燃費最適化』が市場から高い評価を得たものだとした。


・トヨタ「アバロン」(亜洲龍)
累計販売台数が110,814台、ガソリンバージョンが77,458台で、前年同期比135%増、ハイブリッドは33,356台で、前年同期比30%増


・カローラ(卡罗拉)バリエーション
年間販売台数は35万7165台で、コンパクトファミリークーペの代名詞でもある。


・RAV4
RAV4は、年間販売台数が173,383台、ガソリン車が14万2945台で、前年同期比16%増、ハイブリッド車が30,438台で、前年同期比1964%増となった。

【FAWマツダ】

トヨタの中国でのパートナーである「一汽自動車(FAW)」は、マツダ(马自达)ともパートナーシップを結んでいる。
2020年末に、FAWマツダが解散か?との憶測が舞った。が、FAWマツダは、即、否定声明を発した。

この噂の根拠とされたのが、FAWマツダの4年連続販売台数減少だとするもの。
実は、中国市場におけるマツダのもうひとつのパートナーである長安マツダでは、2020年の長安マツダの累計販売台数は13万6667台で、前年同期比0.24%増えている。
一方、FAWマツダは7万7907台で、前年同期比14.78%減少したことが解散の憶測につながったとされた。
FAW(一汽自動車)とマツダの契約更新時期のタイミングに重なって、更新しないのでは?という憶測が、噂が噂を呼んだのではないか。
また、2020年のFAWマツダ・アテンザ(阿特兹/MAZDA6)に対する苦情件数は1,498件で、苦情件数で第1位にランクされ。
車両故障統計は3250件で、車体の異音、ステアリングシステムの異音、センターコンソールの異音、天窓の異音、車内の異音、ドアや窓の異音など、最大3080件の故障が指摘されており、両社の相性が悪いのではないかという指摘もある。

現在FAWマツダの製品ラインは、マツダ・アテンザ(MAZDA6)とCX-4の2つのモデルのみが販売されており、選択肢の少ないことと、モデルが古くなっていることが、販売数の伸び悩みの原因とされている。
かつては、マツダ・アテンザ(MAZDA6)が、爆売れした時期もあり、FAWマツダのV字回復なるか、2021年には新車投入される計画だ。

【筆者達観】
実に中国での自動車市場は、まだまだ成長の余地があり、政府が新規ナンバープレートを一定数しか抽選発行しないために、金があっても当選しなければ買えない市民が存在する。単に日本の10倍の人口を抱える中国では、日本系、ドイツ系、アメリカ系、フランス系、イギリス系、韓国系と世界中のブランドが工場を構え、1000種を超える車が市販され、ヒットすれば利益は大きいが、同時に苛烈な販売競争が行われている。中国市場は、世界で最も厳しい市場と言えるのではないか。
・中国でRAV4一車種の2020年の1年間で売れた台数が約17万台。この17万という数字は、日本全国で一か月間で登録された軽自動車を除く全車種の販売台数を越えている。
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